炭酸

はるか46億年前。地球を誕生させた微惑星の中に含まれていたという炭酸ガス。
それは大気のほとんどを組成し、同時に微惑星に含まれていた水蒸気は海を作り上げました。
それから8億年後。炭酸ガスをたっぷり含んだ海水中で、炭酸ガスを主材料に組み上がった有機物から最初の生命が誕生しました。

 

用途

炭酸ガスシールドアーク溶接方法は、手棒溶接と比較して溶接時間の大幅な短縮が可能になりました。現在は炭酸ガスの最大の需要を占めます。

ダムやトンネル、生コンクリート工場、道路工事現場などからの廃水、清涼飲料メーカーなどの瓶の洗浄による廃水、フィルム現像工場やボイラーの洗浄廃水など、アルカリ性排水の中和剤として炭酸ガスを利用します。塩酸や硫酸を用いると、中和剤の入れ過ぎによる酸性廃水の問題が生じますが、炭酸ガスは過剰に用いてもPH値が4以下の酸性になりにくく、金属を腐食させることがほとんどないという利点があります。

炭酸ガスが固体になるとドライアイスと呼ばれ、冷却用に利用されます。ドライアイスは-78.5℃という低温であるため、アイスクリームや冷凍食品等の商品の配送や、家庭への持ち帰り時の解凍防止用になくてはならない存在です。

テレビや舞台で歌手の足元を流れる白い雲状のもの、これも演出用としてドライアイスが使われているものです。

樽に入れられた生ビールを炭酸ガスの圧力で押し出し、ジョッキに生ビールを注ぐために炭酸ガスを使用します。

渋柿の渋味成分に炭酸ガスを反応させ、渋味を取り除くためにも利用されています。

炭酸ガス消火装置(器)は炭酸ガスを放出することによって酸素濃度を15%以下に下げ、燃焼面を炭酸ガスで覆い、酸素を完全に遮断します。冷却効果もあり消火には最適です。

(日本産業・医療ガス協会資料参照)

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