酸素

生物が呼吸により生きていくために必要不可欠なものであるばかりでなく、鉄鋼、化学、製紙、
溶接・切断、医療をはじめとする、あらゆる産業にとってなくてはならないガスです。

酸素の色って何色?

用途

酸素は強い支燃性と酸化力を持っており、その性質が産業に利用されています。

鉄鋼業においては、酸素を使用することにより空気燃焼にはない高温燃焼が得られるので、原料の溶解に利用されるとともに、高炉では富化酸素として供給され燃料の節減、操業時間の短縮、出銑率の向上などに役立っています。
酸化力を利用して、製鋼用には転炉・電気炉で溶解した銑鉄に含まれる炭素・硫黄・リンなどの不純物を酸化物として除去することに使われています。

化学工業においては、その酸化力を利用して化学品製造の酸化反応工程に使用され、パルプ・製紙業においては、パルプ中のリグニンを酸化物として除去することに使われています。

空気のかわりに純酸素を使うと空気を使う場合の約5倍の酸素を溶けこませることができるため、廃水処理(酸素活性汚泥法)や活魚輸送にも利用されています。

空気燃焼では、窒素が燃焼効率を低下させたり、窒素酸化物(NOX)の発生原因となりますが、酸素燃焼ではこのような現象は起きないので、最近では省エネや環境保護の面からも注目され、ガラス溶解やゴミの焼却・溶融にも使用されています。

酸素は医療現場では欠くことのできない重要な医薬品のひとつとして、様々な場所で使用されています。
院内では主に中央配管により各病室、手術室などのいたるところに供給され、取り扱いに関するスタッフ教育の徹底や安全管理のもと、治療効果を発揮しています。

近年は在宅医療の普及により、肺機能に何らかの障害をもつ患者さんが退院後も自宅で酸素吸入治療を継続する「在宅酸素療法」の分野でも、その重要性と供給のあり方が注目されています。

(日本産業・医療ガス協会資料参照)

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